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傾聴コーチング

相手の本音「NOのサイン」をキャッチする

相手のNOを聞き取ろう

今はコーチングや傾聴の講師をしていますが、もともと私はコミュニケーション下手で空気が読めず、人の言うことを言葉どおりに受け取ってしまう傾向があります。傾聴を習い、「相手の本当に言いたいこと」に注意を向けて聴く練習を重ねてやっと改善されてきたわけす。

今回は「相手の本当に言いたいことを受け取るために大事だ」と思ったことを書きます。コミュニケーションが上手い人はそんなこといちいち考えなくてもわかるでしょ、と思うようなことなので、書くのが少々恥ずかしいです。

それは人の返事は「YES」「NO」「どちらでもない」の3種類に分けてみること。それを間違えて解釈すると相手の真意を誤解することがあります。「YES」の返事はわかりやすいです。「いいよ!」「行きます」などまっすぐ伝わります。しかし、私はときどき相手の「NO」の返事を聞き流してしまうことがありました。NOの返事とは、ここでは「本当は気が進まない」「興味がない」「行きたくない」など断りの返事です。

なぜ「NO」の返事を聞き流してしまうのでしょうか。

こちらに「当然相手も同意してくれるだろう」という期待や思い入れが大きいと、相手の「NO」をスルーしてしまいがちなのです

例えば、過去にこんなことがありました。

同僚が授業の教え方で悩んでいると聞き、勉強会に誘ったときのことです。同僚は「行きたいけど今は時間がないかな〜」という返事でした。

大概の人はこれは断りの返事、つまり「行きません」の意味だとわかるでしょうね。

しかし、言葉どおり「本当は行きたい」と受け取る人もいます。それは私のことなんですけどね。「絶対来てほしい」と期待してる分、自分に都合の良いほうに取ってしまいがちなんです。当時の私は、同僚の悩みの解決になるから来たいはず!と思い込んでいました。

「きっとあなたの役に立つから是非!」という想いで前のめり。

やんわり断られているにも関わらず、「じゃ、次の回はどう?」と聞いていたのでした。同僚は今度も「うーん、予定見てみるね」と煮え切らない。私は「何だかはっきりしない人だなあ」とモヤーっとしました。

しかし、思ってみれば私が2度も相手の断りの返事をスルーしていたのですよ。同僚にしてみれば「こんなに断ってるのに何で伝わらないの?」と困惑したことでしょうね。

コーチングをするようになってから何人かの方から「遠回しに断っているのに誘われて困っている」という話を聞きました。中には誘いを断るのが非常に苦手な人もいます。そういう人の場合、本当の気持ちは言葉そのものよりも雰囲気や表情、態度、声のトーンににじみ出ます。また「来月は〇〇で忙しいかも」など自分の状況を説明することで断りを表現する人もいます。

相手の返事を聞くとき、特にその人のNOの表現に気をつけたほうがいいと思いました。「行きたいけど・・・」「でもその日は・・・」などは断るのが苦手な人にとってはすでに断りの表現。そして、相手の雰囲気や表情など全体を観察して聞くことも本心を知るヒントになります。(私はまだ読み違えてしまうことがあるのですが・・・)

とはいえ、意識して観察していても微妙なことはわかりにくいかもしれません。まずは、相手が断りやすいように誘うのはどうでしょうか。「断ってくれても全然いいですよー」と断りのハードルをぐーっと下げて誘ってみるのはどうでしょう?

他にも「相手のNOを聞き取る良いアイディア」がありましたら、ぜひ教えてください!

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【参考文献】「ケアする人の対話のスキル ABCD 」堀越勝 日本看護協会出版会

ABOUT ME
吉田 有美
日本語キャリアサポーター。著書「日本語教師のための はじめてのコーチング」。日本語ボランティア向け「学習者との会話を広げる深めるコミュニケーション」講師として活躍中。個人向けサービス「大人にための自己分析・自己理解」をテーマとするコーチングセッションを行う。日本語学習者への個人レッスンも提供中。