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傾聴コーチング

楽にできることは得意なこと

”楽にできる仕事”っていうとサボっているとか怠け者とか思われそうで気が引ける。しかし、最近読んだ本に「息を吸って吐くようにできることを仕事にしよう」というようなことが書いてあり、それもそうだなあと思っている。

自分の特技や人より長けていることは、自分ではよく分からないことがあります。なぜなら、本当に得意なことというのは、息を吸って吐くようにできることだからです。自分にとってはそうするのが当たり前すぎることで、苦にならずできるから気付きにくいのです。

「人生100年時代の稼ぎ方」(P160 勝間和代/アチーブメント出版2019年)

「あなたの得意なことは何?強みは何?」と聞かれても、多くの人はそんなに自信を持って答えられない。それより「楽にできることは?」「自然にやっていることは?」「ずっと続けていることは?」など普段から自然に習慣になっていることこそ、得意なことと言えるだろう。

わたしのことで言えば、やはり人の話をきいて考えを巡らすことだ。「この話にはどんな意味があるのだろう?」「この言葉の裏にはどんな感情があるのだろう?」「こういうことを大事にしてるんだなあ」と一人ひとりの物語をきき、その人独自の感じ方や考え方、こだわりに気づくことが好きだし、心理学やコミュニケーションを学ぶのも興味深くて趣味のようなもの。それがコーチングセッションやキャリアカウンセリングで。相手の役に立てたとき、「よかったなあ」としみじみ思う。うまくいかないときもあるが、大概楽しい。

「人の話を聞く」・・・こんなに地味なことは得意とまで思えなかったし、気づかなかった。しかし、幸いなことにコーチングに出会い、聴くスキルというのがあるのを知る。「傾聴(アクティブ・リスニング)」という名が付いていた。「話を聞くこともスキルなのか!」とはじめて知る。それで、コーチングスキルの中でも傾聴を大事にしようと思い、仕事につながっている。

自分が息を吸って吐くようにできることは自分としては普通にやっていること、当たり前すぎて特技という意識もないし、何と言い表したらいいかさえ分からないものだ。そこで、他者の力を借りることをお勧めしたい。信頼できる人たちに聞いてみること。きっといいヒントがもらえるだろう。そして、あなたの”名もなき特技”に名前を付けてみよう。

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吉田 有美
日本語キャリアサポーター。著書「日本語教師のための はじめてのコーチング」。日本語ボランティア向け「学習者との会話を広げる深めるコミュニケーション」講師として活躍中。個人向けサービス「大人にための自己分析・自己理解」をテーマとするコーチングセッションを行う。日本語学習者への個人レッスンも提供中。