「て形の作り方は『ます形』からと『辞書形』とどっちがいいんですかね?」
あるとき、初級の学習者を教えている新人の先生から質問がありました。どっちがいいのでしょうね。学校なら教科書も決まっていると思いますが、個人レッスンなら学習者が最初どちらで習ったかによります。あと選んだ教材によりますね。まずは違いを見てみましょう。
『ます形』から変換する場合、『ます』の直前の音を聞いて変換する。
たべます → たべて
かきます → かいて
およぎます → およいで
てつだいます → てつだって
「てつだいます」など文字数が多くなるとパッと出てこなくなる学習者はいませんか。
『辞書形』から変換する場合、最後の音を聞いて変換する。
たべる → たべて
かく → かいて
およぐ → およいで
てつだう → てつだって
もし、あなたが初級の学習者だったら、どちらのほうがやさしく感じます?
1,「ことばのあいだの音を聞いて変換する」
2,「ことばの最後の音を聞いて変換する」
学校だと教科書や教材が決まっているので選べないと思いますが、個人レッスンは学習者に合わせることが可能です。私がこれまで担当した学習者は「『ます形』からで慣れています」という人もいましたが、「『辞書形』からのほうがシンプルでわかりやすい」という人のほうが断然多かったです。
特に学習の進度がゆっくりの人の場合は、辞書形からのほうがスムーズだと思いました。どの教材を使うかで決まってしまうことなのですが、教師としてはどちらも教えられるのがよいですよね。慣れてしまえば大丈夫!
昔の話ですけど、私は最初の学校で「ます形」からの変換に慣れていたため、「げんき」を使ったときは「おお!辞書形からなんだ!」と、大袈裟に言えば天地がひっくり返るくらいのドキドキでした。でも数回やれば慣れるものですね。文法ルールの前に学習者に「見てください」「待ってください」「来てください」などフレーズをインプットしたり、言い慣れていることも大事だと思います。
今はクラスで、て形を教えるとき「今学期は責任重大!」と緊張した自分が懐かしいです。