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日本語レッスン

【日本語コーチング】信頼関係を築く聞き方

コーチングセッション

キャリアコンサルタントの更新研修で講師が言いました。

「質問してから相手が答えるまで20秒は待ってください」

え?20秒!

長くない?

10秒でもドキドキするかな。

特にオンライン上では。

今回は「あえて沈黙するほうが断然いい」について書きます。

最近、身近に沈黙の達人を見つけました。

日本語レッスンの生徒、Mさん上級者。

教育者で学生の進路相談に応じることも多いそう。

聞き上手な人ですけど寡黙ではなく、

むしろ自分の話もよくしてくれます。

Mさんに話すと、

とにかく”聴いてもらえてる感”があって温かいんですよね。

”ちゃんと聴いてくれている”

”深く理解してもらっている”

ついつい私も話してしまう。

どうしてこんなに”聴いてもらってる感”があるの?

Mさんに話したくなっちゃうの?

Mさんの聴き方を観察。

すると、

私がMさんの質問に答えたり、

何か説明をするとこんな感じ。

「・・・・うん、うん、ああ、そうなんですね・・・・」

とうなずき、相づちを打ちながら、

「わかりました」

「初めて聞きました」

話を受け取ったコメントをする。

ここまではフツウ。

その後、Mさんは

わずかにうなずくようにしながら、視線を斜めにそらす。

(数秒沈黙)

この沈黙の間、

ふんふんと独り言のようにうなずいたり、

すこーし頭を傾けたり、

ペンを頬に当てたりします。

そのしぐさで、

Mさんが私の説明をちゃんと理解しようとし、

自分の中で考えを巡らせているのがわかる。

数秒の余韻をもたせた沈黙。

そのおかげで、

丁寧に受け取ってもらってる感があるんだなあ。

「あなたの話は大事です」

そう言われている感じがする。

その後の会話は、

より内容を深める質問か他の視点からの考えに続いていきます。

けっしてポンポン弾むような感じではないし、

黙っている時間も長いですが、

中身のある話をした充実感があります。

以前の傾聴セミナーで「話にくいと感じるときは?」という質問に、

こう答えた方がいました。

「自分が話している間、相手が何か言おうとして待ち構えているときですねー」

わたしも時々やってしまってる!とヒヤリ。

言いたいことが浮かんで、相手が話し終わったとたんに言い出しちゃう。

それより、相手の話に集中し、堂々と沈黙し、考えを巡らせるほうがいい。

聞いたあとすぐに言葉を発するより、少し黙ったほうが相手は”聴いてくれた”と感じるのですから。

自分もそのように聴きたいなあ。

ちゃんと聴いてもらったと感じると満足感と温かさが残る。

「あなたの話は大事です」

このメッセージを送るのが傾聴ですね。

お互い相手の話をよく聴くことで信頼関係が育まれると思います。

ABOUT ME
吉田 有美
おとなのための自己分析・自己理解をテーマとするコーチングを行う。日本語学習者へのプライベートレッスンも提供中。著書「日本語教師のための はじめてのコーチング」、企業・日本語ボランティア向けアクティブ・リスニング(傾聴)の講師としても活躍中。