最新の記事
日本語レッスン

よくできる学習者への教えない学習支援

外国人財向け 日本語レッスン

今まで何人も驚くほどよくできる学習者に出会ってきました。そこで、「何を教えたらいいの?」と悩み、どんどんできる学習者はコーチング的な関わりをしようと決めてから、気持ちを楽にして担当できるようになったという話です。

教師(支援者)は 壁打ちの壁になる

実は、教えなくてもどんどんできてしまう学習者にはどうしたらいいの?

というのも昔は意外と悩みでした。特に経験がないころは焦ってしまうのです。

「教えることがないな。私はいなくてもいいのでは?」

と自分(教師)のいるイミがないと感じたり、

「私だったらこんなにすぐマスターできないよ(涙)」

とチクリと劣等感を覚えたり。

それは

教師になる時点で多かれ少なかれ

「教えることで人の役に立ちたい」

という気持ちがあるからかもしれません。

私はもともと人にお役立ち情報を教えたいのでした。

だから、日本語レッスンのときでも

学習者が「わかりました!」と目をキラキラさせると嬉しかった。

「教えるって楽しいなあ」

とちょっと得意な気持ちになります。

これは今思うと、恥ずかしながら、

「私を認めてもらってうれしいよー!」っていう状態なのです。

嬉しい気持ちは自然に湧き上がるもの。

それを否定しなくてもいいんです。

ただ、”認めてもらいたい心理”に覚えがあるなら、

教えるときは気をつけたほうがいいと思います。

なぜかというと、もっと教えたくなってしまうから。

そして、

教えすぎると学習者の自律の機会が失われてしまうからです。

確かに、どんどんできる学習者を前にすると戸惑うことも。

「私は何をしていたらいいの?」

学習者がよくできるのは良いことのはずなのに自分の役割がないように感じる。。。

これは「教えること=私の役割」

と強く思っているからではないでしょうか。

それで、この想いを修正。

「教えることもするけど、他の方法でも相手の学習支援をする」

教えなくてもできるならそれに越したことはないです。

その代わり、「教える」以外の方法とは・・・。

・教材(リソース)を紹介すること

・課題を出してフィードバックをすること

・リクエストを聞いて相手に合わせること

・学習者の話を聞くことで心理面を支える

日ごろどうやって学習しているか聞くだけでも、

学習者は独自の工夫を発展させることがあります。

また、定期的にレッスンをすることで学習のペースが安定しますし、

相手によっては壁打ちの壁のような役割が必要とされます。

とはいえ、「この学習者は他の先生が担当したほうがいいかも」と感じるときには率直に学習者と話して他の先生とつなぐのもアリだと思います。

日本語の学習支援の本 「日本語教師のためのはじめてのコーチング」(アスク出版) これは日本語の学習支援をするときの「関わり」「対話のしかた」、...
【無料メールマガジン】傾聴コーチング「日々こつこつ前進」自分を活かすためのセルフコーチング、コミュニケーションに役立つヒントをお送りします。傾聴コーチング/キャリアカウンセラー/日本語コーチ 吉田有美(よしだゆみ)のメールマガジンです。...
講師のご依頼吉田有美の講師、ワークショップ、研修依頼の案内。テーマは「日本語学習支援のための傾聴」「傾聴(アクティブ・リスニング)」「外国籍の社員と信頼関係を築く1 on 1面談」。日本語教育関係者、日本語ボランティアの方、外国籍の社員がいる企業が対象です。その他、女性のキャリア形成に関する講演など。...
【無料メール講座】日本語学習者を支援するコーチング10のコツ日本語レッスンにコーチングを取り入れて11年になります。その間、特に役に立つと感じたことを10のコツにまとめました。...
ABOUT ME
吉田 有美
キャリアカウンセラー&傾聴を中心とするコーチングを行う。日本語学習者へのプライベートレッスンも提供中。著書「日本語教師のための はじめてのコーチング」、企業・日本語ボランティア向けアクティブ・リスニング(傾聴)の講師としても活躍中。