2023年10月19日、横浜市のみどり国際交流ラウンジ主催「日本語ボランティア養成講座」の「学習支援に役立つ傾聴講座」に登壇しました。参加者は18名で、半数以上がこれからボランティアを始める方々でした。
講座の目的は「学習者が安心して話せる聴き方のコツ」「なかなか話してくれない学習者にたくさん話してもらうコツ」を講義と傾聴(アクティブリスニング)のワークを通して体験してもらうことです。
主催者より事前に参加者アンケートがあり、知りたいことを募っていただき、講座にその回答を盛り込むことができました。「傾聴と普通の聞き方はどう違いますか」「学習者が話しているとき、間違いを指摘するタイミングは?」「(学習者との)会話は楽しいのですが教科書が進みません。これでよいのか不安です」「学習者が黙るとついつい喋ってしまいます。どうすればいいでしょうか」など。
最初に吉田の初期の頃のコミュニケーションの失敗談の反省から、レッスンに話の聴き方スキルを取り入れて学習者の話を聴き、話し合うスタイルにしてからの変化、効果について話しました。次に「なかなか話してくれない学習者に話してもらうコツ」として傾聴(アクティブリスニング)の5つのスキルを説明しました。
後半は、吉田がモデルセッションを示し、学習者とどのように対話を進めるか雰囲気を見てもらいました。「一日の出来事」をテーマに学習者役に話してもらいました。話を促すことで自然にストーリーを話す練習になります。それから、学習者が「たくさん話せた!」と感じるような聴き方のコツを解説しました。
後半は3人グループに分かれて、傾聴(アクティブリスニング)と話の促し方を実践するワークを行いました。みなさんとても熱心で楽しそうに話していました。
講座後のアンケートでは「とてもよかった(14名)」「よかった(4名)」=計18名と好評価をいただきました。以下は参加者アンケートより抜粋。
「日本語を教えるということが網羅されていて分かりやすかった」「ご自分の例を挙げてくださって分かりやすかった」「時間を忘れて集中して参加できた」「対話のサイクルがよく分かった」「子育ての極意に通じるものがあると思った」「とても楽しくて優しい時間でした」「(傾聴と実践してみると)思いのほか難しくて驚きました」「実技が落ち着いてできた。同じグループの方と和やかな時間に過ごせた」
中には「アサーションの講座(爽やかな自己主張)に似ていた」という声もありました。まさに相手の話を聴くことと、自分の意思を爽やかに率直に伝えること(アサーション)はコミュニケーションの両輪だと思います。
こちらの国際交流会は運営の方々がフラットな人間関係でお互い率直に聴いたり話したりするする土壌が育まれていると感じました。また、研修担当の方々が「支援者も普段から充分に話を聴いてもらうことが必要ですね。そういう時間を作りたい」と話していらっしゃったのが印象的でした。