今年で3年目になりなすが、4月に早稲田大学で「日本語学習者を支援する」(担当木下直子先生)のクラスでゲストスピーカーとしてコーチングと傾聴についてお話しさせていただきました。日本語学習者支援を学ぶ学生約20名に対面授業で90分のワークショップを行いました。このクラスは留学生や身近な日本語学習者に自律学習を促すための支援として何ができるのかを考える科目です。海外出身者、留学経験者など海外での生活を経験した学生の多いクラスで、発言やワークの様子から他者を支援することやコミュニケーションの仕方について関心の高さが伺われました。
学習支援といえば学習アドバイジングという分野がありますが、学習アドバイジングとコーチングは親和性が高いこと、吉田が日本語教師であることからゲストスピーカーに声をかけていただきました。授業はコーチングについて基礎的なこと、目標設定について話し、傾聴の体験ワークを行いました。支援者の役割として学習者の話を聴くこと、目標を共有することを中心に講義とグループでのワークをしているうちに、あっという間の90分でした。以下はクラスの学生たちのレポートの抜粋です。彼・彼女らが短時間のうちに真摯に取り組み、内省をし、言語化したことに心を動かされました。実際のレポートには気づいた点、学生自身の経験、実践したいことが具体的にたくさん書かれていました。
私自身が日本語学習者を支援する際、「相手の可能性を信じる」ことが何より大切であり、学習者のさらなる成長に、最も効果的に繋がると私は今回の講義と自身の経験を基に考えます。
今日習ったコーチングの質問法を生かして、自分でも具体的に質問する癖をつけることで新たな自己発見につなげていきたいと思う。
コーチングの実践で今まで特段意識していなかった自身の会話の傾向に気づきました。(中略)私自身が相談を受けたときや日常生活での会話でも応用していきたいと思います。
コーチングをするときだけでなく、日常生活で非常に役に立つと感じました。「聞く」ことが上手にできると良い人間関係を築くことや誰かの支えになることができるということをがわかりました。
自分の「話すこと」「話し方」に意識を起きがちですが、(中略)少しでも相手に合わせ、より円滑なコミュニケーションを図れるようになりたいです。
「答えは相手自身の中にある」という言葉が印象的だった。クラスメイトとコーチングの実践をしたとき、(中略)そのおかげで課題解決のための意欲が湧いたし、頑張ってみようと思えた。