1月19日オンラインセミナー「相手が安心して話せる聴き方・促し方」、2月2日対面ワークショップを金沢交流財団にて行いました。参加者は各20名でした。1回目はオンラインで基礎的なレクチャーを中心に、2回目は対面で3人グループのワークを行いながら進めました。
1回目「相手が安心して話せる聴き方・促し方」（初級編）
オンライン講座（2時間）。レクチャーをしながら質問を受けたり、個人ワークでまとめの時間を儲けたりしながら進めました。内容は以下のとおりです。
1、相手が安心して話せる「聴き方」を学ぼう
2、実践、アクティブ・リスニング（傾聴）5つの方法
3、参加者アンケートからの質問
4、振り返り、次回までの課題
参加者アンケートからの質問は「表情が固まっていて、なかなか返事が返ってこない人がいます。対応の仕方は？」「外国の方が難しいと感じる日本語、理解しにくいと感じる日本人の話し方は？」「避けた方がいい話題は？またプライベートなことで、こちらが話したくない場合の対処法は？」など、現場のコミュニケーションの悩みについて回答しました。個別の学習者についての対応の仕方、「やさしい日本語」に触れる質問もありました。
最後は、今回学んだ「聴き方」を身近な人に実践し、気づいたことを書き留める課題を出しました。2週間後に対面ワークショップで課題の共有を行います。
2回目「相手が安心してたくさん話せる聴き方・促し方」（中級編）
1回目のオンライン講座に引き続き、2回目は対面でワークショップを行いました。
1、前回のアンケートの質問から
2、課題の共有ー自己紹介から傾聴を実践してみての気づき、感想をグループで話す
3、【講義】話題を広げる：小さな質問と大きな質問を使い分ける
4、【グループワーク】話題を深める：学習者に個人エピソードを話してもらう
5、質疑応答、振り返り
事前アンケートの質問への回答から始めました。「支援者同士、または支援者と学習者とで意見が異なる場合は？」「学習者の間違いの訂正の仕方は？」「学習者が母語で話し続けてしまうときは？」「グループの中で日本語の習得に差があるときは？」など、皆さん日頃の現場でのコミュニケーションの悩みを共有できてよかったと思います。
講義は「大きな質問（答えの自由度が高い質問）、小さな質問（具体的で答えが決まっている質問）」について話し、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分ける練習をしました。
グループワークは「学習者に個人エピソードを話してもらう」を目的に、学習者、支援者、オブザーバーの役割を全員1回ずつ体験するワークを行いました。
帰りには「グループワークが良かった」「やってみると難しかった」など声をいただきました。個人エピソードを話すワークで、自分の気持ちに気づいたという方もいらっしゃいました。
参加者の声
今後、活動をしたり、活動に参加するか考えるうえで、一歩前に進むことができた気がしました。自分にできる範囲のボランティア、相手も自分のことも尊重するという言葉が心に残りました。
自分は話し下手なので、会話が続かないことに課題意識をもっていました。今回聴き方について教わる中で、沈黙を怖がらないことが大切といったことを教わり、無理にこちらから話そうとしないで待つ姿勢を大切にしていけばいいのだと、少し自信になりました。
相手に合わせて対応する重要性を改めて知る機会となり、自身にとって有意義な研修でした。
学習者と話す際に気をつけることとして、学習者の言葉を待つ（話を先取りしようとしない）、学習者の言葉だけでなく表情や声の調子から学習者の気持ちを考えて会話をするといったことを新たに学びました。今回学んだことを今後の支援の場で実践していきたいと思います。
私はゆっくり話す方なので、グループでの会話は発言する間もなく話題が変わっていって、言いたいことが言えない事がよくあります。学習者の方にもそれが当てはまると知り、ハッとさせられました。沈黙を恐れずに待ってみようと思います。
相手の話を追い越さないというフレーズが特に印象に残りました。すごく大事なことだなと思いました。
「頑張ってください。」ではなく、「がんばってますね。」と、理解されていることを表現する接し方。今回のお話は大変参考になりました。
