大学の機関で初めて、コーチングの入門講座「傾聴と質問のスキル」研修の講師に呼んでいただきました。参加者は日本語教育に関する研究者の方、留学生向けの学習アドバイザー、大学院生の方の合計12名。昼食を挟んで5時間の講座でした。午前はコーチング概論と傾聴の説明、傾聴体験のペアワーク、午後は質問の仕方とペアワークを行い、最後に振り返りの時間を持ちました。
参加者の皆さんのフォローもあり、特に「質問の効果」について自分とは異なる視点をたくさんいただきました。例えば、コーチングではこのような質問があります。「もし何の制限もなかったら、どうしたいですか」私はこういった大きな切り口で質問することを躊躇します。それは「何の制限もない」という状態が私にとって想像しにくく、自分が答えにくいからです。今回、参加者の方から「これは非常に良い質問ですね!」と言われました。「こんな風に自由に考えてみることはすごく効果的!今まで考えたことがなかった!」というのです。それで、私は自分の枠に囚われていたことに気づきました。
「米国発祥のコーチングを日本語で、留学生のバックグラウンドに配慮しながら、どのように行うのがよいのでしょうか。」という質問もありました。これは今自分が抱える課題でもあります。今現在の私の実践ではバックグラウンドに配慮しながらも、相手の方の『特性・感じ方・考え方』に焦点を当てて向き合うことを意識しています。
参加者の方の質問でコーチングについて深掘りするきっかけをいただけました。課題は言語化です。どんな角度から聞かれても、自分の実感の伴った言葉で語れるようになりたい。
これからもコーチングの実践について、できるだけ言語化していこうと思った次第です。