5月16日15:00〜100分、早稲田大学にて「日本語学習者を支援する」(木下直子先生担当)の授業にゲストスピーカーとしてお招きいただきました。出席者は留学生、留学経験者を含む20名ほどでした。この授業では「ラポール形成」について講義をし、ラポール形成の方法として傾聴のワークを行いました。授業の要点は以下のとおりです。
①ラポール形成とは何かを理解すること。吉田の過去の個人レッスンの経験から学習者とのラポール形成について、コーチングの対話の仕組み、他者との間に信頼関係を築くこと、学習者と関わる際の心構えなどについて話しました。
②何故ラポール形成が重要なのか理解すること。一般的に相談場面で起こること、ラポール形成のない状態が相談者に及ぼす影響、信頼関係のある状態での対話、支援者が関わるときの対話のバランスについて話しました。
③ラポール形成の方法として、相談者の話を聞くときの傾聴のコツ、相談場面での環境を整えることについて説明し、吉田が支援者で学生の一人が相談者となりモデルセッションを行いました。その後、3人グループに別れて相談者・支援者・オブザーバーの役割を決め、傾聴体験ワークを行いました。
残り時間の質問タイムにも活発に質問いただき、相談者の話を聞く際にどんなことに焦点を当てるのが良いかなどについて話しました。
以下、学生のレポートより一部抜粋
学習アドバイザーと生徒の間で、「安心」できる関係、「心と心の架け橋を築く」大切さに気付かされました。学習者の不安を解消してあげることは、学習者の最大限の力を引き出すことだけでなく、モチベーションを保つためのサポートもできるということにとても共感しました。
ワーク活動では相談者・支援者の立場になり、ラポール形成を行うことでどのように信頼関係を築くのか、そしてラポール形成ができていると相談者に取ってどのようなメリットがあるのかを実際に体験することができた。
学習アドバイザーはただ日本語学習の相談にのるだけでなく、相談者の心に寄り添うようなアプローチをしていくことが大切なのだとわかりました。ラポール形成は一見学習に関係なさそうに見えるかもしれませんが、もしかすると最も重要なことなのかもしれません。
ラポール形成は話を聞いていると、一見意識をすればみんなできるようなもののように感じていました。しかし適切なタイミングで相槌をうったり、相手から言葉を引き出せるようにするのは、想像以上に難しいタスクでした。