「Zoomでハナキン」というむらログ主催のオンラインイベントで30分くらいお話させていただきました。予想を超えて100名以上の方がご参加くださり、大いに緊張しました。
その中で、コーチングの基礎知識の話から、公開コーチングセッションを行いました。セッションは10分という短い時間でしたが、相手役の村上吉文さんのオープンな受け答えのおかげでスムーズに着地しました。打ち合わせしていなかったのですが、柔軟に対応してくださって感謝です!それでは、セッションの模様を振り返りたいと思います。
公開セッションの振り返り
テーマ:『ヒンディー語学習の目標について』
村上さんに、次のようなことをきいていきました。
- 「理想としてはどうなりたいのか?」
- 「楽しめること、興味のあること、大事だと思っていることは何だろう?」
- 「得意なこと、経験から使えることは何だろう?」
- 「できそうなことで、進んでやる気になれることは何だろう?」
- 「すぐ簡単に取り掛かれることは何だろう?」
図にすると下の↩ように進みました。図で示すと型が決まっているような印象になりますが、なるべく自然に対話が流れるように話に集中しました。キーワードを繰り返すだけでもけっこう話していただけてホッとします。そして、話の中で「映画、おもしろい」「楽しい」がキーワードだと感じ、その辺をもっときいていこうと思いました。
実際の問いかけ(質問の意図)
吉田「いつからヒンディー語を始めましたか」(情報収集の質問)
村上「2年くらいですかねー」
吉田「(ヒンディー語)を勉強してみてどうですか」(現状を聞く)
村上「最近、映画の会話がわかるようになってきました。最初字幕なしで見てみるんです」
吉田「映画の会話!…理想としては…どうなりたいですか」(目標を聞く)
村上「同僚と祭りの話とか…映画の話もしたいんですけどなかなか機会がないですね。インド映画はおもしろくて、仕事と関係なくても見たいですね^^」
吉田「へぇ、仕事じゃなくても見たいんですね!ところで、いつも赴任先の言語を勉強されてますよね。言語を習得するコツはありますか」(強み・リソースを聞く)
村上「言語によりますね。ヒンディーはリソースが沢山ある。昨年は映画40本見ました!週1本が目標なんですけど」
吉田「たくさん見てるんですね。映画の本数を少し増やすために工夫できそうなことは?」 (アイディアを聞く)
村上「映画館に行きたいですね。新作映画の情報をフォローしてるんですけど、そう言えば通知をONにしてなかったです。それ、やろう。」(自ら最初の行動を決めた)
村「映画の新作情報の通知を…ONにしてなかったので、それをしようかな」()
(この直後、吉田が時間を気にして提案を差し込んでしまい、終了!実際にはもっとやり取りがありましたが、要点だけ書きました)
実際の学習者の場合、こんなにスムーズにはいかないことが多いです。「どうなりたい?」の質問で困ってしまったり、②と③を行きつ戻りつしたり、「できそうなこと」もすぐ出ないことが多々あります。もっと言葉も簡単にしますし、待つ時間も必要です。実際に学習者と話すときの初回セッションは30〜50分ぐらいかかります。やはり、相手役の村上さんの「普段から自分の思考を言語化していること」「自己開示するオープンな態度」「自ら目標を意識して行動していること」、このことにだいぶ助けてもらいました。(そして、私たちがコーチングをすることによって学習者もそうなれると信じています!)
公開セッションは自分で言い出しておきながら、恥ずかしかったのですが、やってよかったと思います。ちなみに、事前に村上さんのTwitterスペース「むらスペ」を聞いたり、youtubeでインタビューを受けている動画を見たりして予習していました。おかげでもう勝手に親しい人のような感じがしていたのです。「任せて安心」っていうのでしょうか。
最後にコーチングは、学んだ機関、受けた訓練、コーチの個性によってスタイルが違います。ただ一例として見てもらうのがいいかなという考えで、授業見学が必要なように実際どのようにしているのかを見ることで何か掴んでもらえたら幸いなことです。
*対話は記憶なので短くなっております。村上さん、了承をいただき感謝しております。