ABK学館日本語学校主催の勉強会(オンライン)
2023年5月14日(日)参加者29名のオンライン勉強会に登壇しました。学習サポートのあり方として教育現場でも広がりつつある「コーチング」。外国人に日本語を教える日本語教師が、コーチングスキルを身につけると、学習者の自律学習が進んだり、リピート率が上がったり等の効果が期待されます。そこで、今回「日本語教師がコーチングスキルを活かすためにはどうすればいいか」という観点でお話ししました。教師スキルにコーチングスキルを加えることで、どのような変化が期待できるか共有できればと思いました。
コーチングの基礎についての講義と傾聴のコツについてお話しし、3人グループで体験ワーク行いました。情報交流会(自由参加)では、専門学校や日本語学校の教師の方から時間に追われるカリキュラムへのジレンマなど現場の状況や講師室でのコミュニケーションの課題など色々な話題を共有することができました。途中退室可で、自由な雰囲気も良かったです。主催の亀山先生のお人柄もあって、皆さん熱意のある中にも和やかな雰囲気でした。
講座の内容(2時間)
part1:コーチングの基礎レクチャー(チャットでコメントを受ける)コーチングの理論をわかりやすく解説。コーチングの目的や特徴、どのような対話をするのか、対話の仕組みや起こりがちな場面を話し、吉田の失敗談の事例も共有しました。
part2:傾聴の5つのコツ・話の聴き方は具体的にどのように行うのかコツを説明をしました。
part3:モデルセッション見学〜グループワーク。コーチングの傾聴スキルを使ったやり取りを見学。吉田と相手役の方のセッションを見て、その後3人グループに分かれて体験ワークをしました。
参加者 30名(1名欠席)
日本語学校、専門学校の教師。フリーランスの日本語教師など。
参加者の声:アンケートより抜粋
「コーチングについては、本を読んだり聞いたりしたことがありましたが、今日改めてお話を伺い、理解しているつもりだったことが、身に染みてきました。少しずつ、実践として取り入れていきたいです。」
「コーチングについてのご講義に加え、グループセッションで自らも体験することができ楽しく有意義な時間でした。学習者に安心して話してもらうためにはどうしたらよいのか大変勉強になりました。」
「自分を客観的にとらえて、つい発言しそうになるのをぐっとこらえコントロールできるようになることが必要だと感じています。先生のお話から新しい視点をいただき、大変勉強になりました。」
「日本語教師としてだけでなく、日頃の人との付き合いの中でも重要なことを学びました。ありがとうございました。」
「特段、難解な内容ではないと思うものの、いざ実践となると思い通りに口から言葉が出ない、頭で考えられないものだと、グループワークをやって再認識するに至りました。」
「学習者から相談されたとき、解決してあげなければという責任感が生まれて、解決策を示してきましたが、違う方法もあるんだということに気づきました。」
気づき・感想
こちらの勉強会は、日本語学校・専門学校でクラス授業をしている先生も多く参加されていて、個別に学習者と関わるコーチングの話がどのように受け止められるのか少し不安もありました。講座のアンケートでは「充実した時間だった」というメッセージが多く、ホッとしています。今後もコーチング・コミュニケーション・人間としての関わりについて学ぶ方が増えていくと思われます。
交流会では現場のお話を聞き、「私は誰のための、何をするための教師なのか」ということを改めて考えさせられました。