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講座、研修の講師

「学習者の声を聴く耳を磨こう」【大和市国際交流協会】日本語教授法ブラッシュアップ講座

講師兼ファシリテーターの活動報告です。2025年3月1日(土)、神奈川県大和市国際交流協会にて、日本語ボランティアさん向けの講座に登壇しました。

大和市ではマンツーマンで学習支援をすることが多いそうですが、もともとグループレッスンを中心とした日本語教室がたくさんある地域で、40年ほど活動されている教室もあります。学習者の属性も多岐に渡っているとのことです。

ベトナム、フィリピン、中国国籍の方が、仕事と子育ての合間に時間を見つけて勉強しに来ているほか、来日間もないネパールやスリランカ国籍の学習者もいます。もともとペルー人の多い地域で、工場勤務から介護職へ変わる中で、言葉の必要性を実感し、学習している人もいます。アフリカの方も増えてきているとのこと。

講座の目的は、日本語ボランティアさんに「学習者の話の聴き方」を学んでもらうことです。大和市だけではなく、多くのボランティアの現場では日本語話者がついつい学習者が理解できる以上の日本語で話し続けてしまう、という場面が見られます。

そのため、日本語話者が「学習者の話をよく聞く・待つ」という傾聴のコツを掴む研修が役に立ちそうです。

『磨く「耳」。これは学習者の「耳」ではなく、支援者の「耳」のことです。母語話者とそうではない人のあいだのコミュニケーションでは、母語話者が「意識して聴く」ことが大切です。学習者が安心して発話できるレッスンを目指して、「傾聴」の方法を学びます。』(講座の広報より)

講座では、前半に傾聴の心構え、相手が安心して話せる傾聴の方法の講義を行いました。後半は3人ずつのグループで傾聴ワークを行い、最後に質問と振り返りの時間を取りました。

この講座で印象的だったことは、みなさん笑顔が多くて「聞き上手」だということです。質問や発言も積極的にしていただき、良いムードで講座を終えることができました。参加者の楽しんで学ぼうという姿勢が伝わりました。

スライド

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参加者アンケートより

参加者

グループワークを通じて、学習者/支援者の関係、接し方について実感を持って学ぶことができました。会話パターンの例が分かりやすて参考になりました。                         

参加者

「傾聴の五つの方法」が実践(セッション)でよく理解できた。詰め込みすぎずバランスのよい内容でよかった。

参加者

内容は基本的なそのものズバリの真実だと思います。話したり聞いたりと実際の体験ができて良かったです。

参加者

傾聴のグループワークがおもしろかった。学習者さんと話をするとき追い越さないようにしようと思います。学習者さんの使った言葉を使うようにしたいと思いました。話しやすい環境を作ることができるように心がけようと思いました。

参加者

話を聴くときの心構えについて学んだことは、改めて自覚することができた。学習者にとって支援者は、一番の安心の居場所と思う。

参加者

(グループワークで)実際に対話した経験もなく、緊張感からお互いにギクシャクしてしまった。しかし、傾聴の5つの方法に当てはめてみると、問題点、課題が分かって良かった。

参加者

テキストによっての説明が大変良かった。実践的学習で理解出来た。学習者に話しやすい雰囲気を作るのに5つの方法があることをあらためて認識させてもらいました。      


講師のご依頼吉田有美の講座・研修依頼の案内。テーマは「日本語学習支援のための傾聴」「日本語学習者と会話が広がる・深まるコミュニケーション講座」。対象者は日本語教育関係者、日本語ボランティア教室、国際交流協会、多国籍の社員が働く企業。...
ABOUT ME
吉田 有美
著書「日本語教師のための はじめてのコーチング」。日本語ボランティア向け「学習者との会話を広げる『聴き方』『質問のしかた』を学ぼう」など、傾聴講座の講師として活躍中。日本語教師歴22年。日本語学習者への個人レッスンも提供中。国家資格キャリアコンサルタント