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講座、研修の講師

【講師】さくら日本語学校グループ

2025年8月1日(金)、千葉県のさくら日本語学校グループ主催の教師研修に登壇しました。こちらは名古屋を含む3ヶ所に学校があり、二日間の日程で食事会を含む勉強会が行われています。教務スタッフ、日本語講師合わせて50名ほどの参加人数でした。

非日本語話者の講師、教務スタッフも数人見られ、積極的に発言していただきました。またコーチングのモデルセッションでは、日本語能力試験の N 1を目指す学習者が相手をしてくださり、リアルなセッションをお見せすることができました。

勉強会の内容(当日のスライドより抜粋)

コーチングとは?

コーチングにおける教師と学習者との関係性をはじめ、コーチングの基礎知識について講義を行いました。最初に学習者との一般的な応答例とコーチングを用いた対話の例を紹介し、どんな違いがあるか話すペアワークを行いました。

次に、コーチングの基礎知識として、コーチングスキルと自発的な行動を促すための対話についてお話ししましたました。

・聴くスキル

学習者の話を聴くときのコツ、注意点について話し、ペアで練習を行いました。

・質問のスキル

・グループワーク

モデルセッションを示してから、コーチング体験のグループワークを行いました。


・気づき、感想

学生との対応について悩みはありながらも明るく取り組んでいる方が多い印象でした。コーチング体験ワークの感想としては、「自分の話を聞いてもらうことによって考えが整理された」「相手がただ聞いてくれるだけでも気分が良くなった」「次にどんな質問をしようと考えていると相手の話が頭に入ってこなくなった」などの声が聞かれました。

ただし、現場の先生方、教務のスタッフの方は学生の思い悩みを聞くことも多く、「聞いても役に立つことができない」「見守ることは大切だと思うが、卒業の時期が来てしまうのでどこまで待ったらよいか悩む」という話も出ました。

コーチングでは学習者の目標を明らかにし応援していくわけですが、実際の現場では、教師は学習面だけではなく、出席管理・生活指導などの役割も負っています。その部分はコーチングではなく、指導をすることになります。

また、教務スタッフにおいては、学生の在留資格や経済面の課題、メンタルの不調についても対応を迫られることがあり、学習者の状態と抱えている課題によって。カウンセリング・コンサルティングの手法のほうが役立ちます。

さらに、どのようなとき、どの専門家につなぐかは組織内で共有することが必要です。組織内で一堂に集まって研修を行うことで、研修テーマ以外の課題が共有できたり、それぞれがどのような気持ちで働いているかを知る機会にもなっている模様でした。

私の課題としては、日本語学校の研修においては、「コーチングで対応できるケース」「コーチングの対象となる学習者」「コーチング・カウンセリング・指導」という説明をもっと詳しくも入れていきたいと思います。


研修・講座の講師のご依頼を随時受け付けております。

ABOUT ME
吉田 有美
著書「日本語教師のための はじめてのコーチング」。日本語ボランティア向け「学習者との会話を広げる『聴き方』『質問のしかた』を学ぼう」など、傾聴講座の講師として活躍中。日本語教師歴22年。日本語学習者への個人レッスンも提供中。国家資格キャリアコンサルタント