3月10日三菱ケミカルグループ様より、国連の定めた国際女性デーにちなんだ組織内イベントの講師に呼んでいただきました。社内では1週間にわたってDE&Iイベントウィークが開催され、その中の経営企画部での自主イベントでした。ダイバーシティ・エクイティ(公平性)・インクルージョンを軸に「一人ひとりが活躍できるフェアな環境づくり」というテーマで、主催の方とのキャリア対談と組織内でのコーチングの効果についてお話し、コーチングの体験ワークを実施しました。対面とZoomのハイブリッドで行われ、約30名様にご参加いただきました。
キャリア対談
女性のキャリア形成をテーマに吉田の経歴について対談をしました。地方の短大を卒業し就職、結婚。夫の転勤に伴ってパートの仕事を転々とした20代。何とか専門職に就きたいと日本語教師になった30代。40代以降はコーチングやキャリアコンサルティングを学び、個人事業主になったことなどお話ししました。
「吉田さんのキャリアの選択と”女性である”ということはどのように関係がありましたか」
この質問を受けて口ごもってしまいました。この質問は事前に知らされていたにも関わらず、答えを出せないでいたのです。若いころ「女の子は短大でいいよね」と言われたり、結婚したら夫の仕事に合わせるのが当然だと思っていたことが自分の価値観として入り込んでいたのでしょう。この対談によって「女性であることがいつも働き方に影響していたのに、私はずっと無自覚だったなあ」と今更ながら気づいたのでした。「昭和の時代は」とか「家庭教育が」「田舎育ちだから」など言いたくもなりますが、特に若いころ、私は「将来こうなりたい」という強い意志を持っていなかったので、流されてしまったのです。しかし、そのことを後悔するでもなく「そのように生きてきた」と受け止めています。
コーチング
コーチングの基礎的な説明、面談で起こりがちな事例を挙げ、対話をするための傾聴のコツをお話ししました。傾聴の体験ワークでは2人1組で話を聞き合う練習をしました。仕事以外の関心ごとを話してもらいましたが、みなさんイキイキと取り組んでくださり、「面白い話が聞けた」と素朴な感想が飛び出しました。合間に程よく質問も出てきて、部長さんをはじめ、気さくな方が多かった印象です。
以下、後日のフィードバックから抜粋
「一人ひとりの個性を尊重して自己実現を支援するコーチングそのものが、DE&Iの実践に繋がるものとして捉えることができた」
「ただ指示を受けるより自分の中で解決策を出す方が効果的、というコーチングの意味にとても納得しました」
「”話を聴くためのトレーニング、技量”を組織が計画的に展開するする必要があると思いました」
「コーチングについて全く知識がなかったが『よい関係を作るためのツール』であろうと理解できた」
「コーチングというと、何かフォーマルなイメージがあってお互いに窮屈な気がしていましたが、まずはリラックスして話しができる関係を作ることが重要、とわかりました」
コーチングとDE&I(ダイバーシティ・エクイティ・インクリュージョン)
公平性を重んじ、多様性を受け入れることはコーチングの考えと親和性が高いと思われます。年齢、ジェンダー、国籍、障害を持っているかどうかに関わらずお互いの話に耳を傾けて尊重すること。マイノリティや弱い立場に居させられている人たちが我慢を強いられないように、皆が納得する答えを一緒に探していく姿勢が大切だと思います。他者を認め、他者の話をよく聞くには、まずは一人ひとりが自分自身をよく知ること、認めることではないでしょうか。自分自身が出発点となるでしょう。