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講座、研修の講師

日本語ボランティア研修会【学習者との会話が広がるコミュニケーション】水戸市国際交流協会

2025年3月15日(土)、水戸市国際交流協会の日本語ボランティア研修会でファシリテーター兼講師としてお呼びいただきました。

講座のご希望としては「対面形式で、参加者同士が交流できるようなグループワークがあること。ボランティアの方々のスキルアップや自信につながり、活動に前向きになれるような講座を目指したい」とのことでした。参加者は30名弱で全員がボランティア経験者です。

こちらの団体では、日本語ボランティア団体が主体となって、日本語教室を毎日開催しています。全部で7つの団体があり、その中の一部で「MIJネットワーク」というネットワーク組織を作り、連絡会や研修会などを行っているとのことです。

それぞれの教室に特色があり、見学もできるようです。これからボランティアを始めたい方が、自分の目的や希望時間に合う教室を選択できそうです。

今回の研修は、「学習者との会話が広がるコミュニケーション術」と題して、傾聴を用いた会話の講義を行い、なかなか話さない学習者とのモデルセッション、傾聴体験グループワーク、事前アンケートからの質問に答える、という内容で行いました。

研修後は30分ほどボランティアさんたちと自由に話す交流会がありました。交流の時間は「こんなときどうする?」という話題で相談会のようになりました。例えば、「学習者が辛い話をして涙したときは?」など。みなさん、ご自身の経験や想いから生き生きとお話しされていたようにも感じました。この時間があり、より充実した研修会になったと思います。

当日のスライド

事前アンケートの質問

ボランティアさん

活動中、会話が続かなくなった時でも、会話を続け、広げることができれば
いいなと思っています。何か良い方法はあるでしょうか。

ボランティアさん

会話の中で、本人も気づいていないようなニーズ(知りたいこと、困ってい ることなど)を聞きだすにはどうしたらいいでしょうか。それが分かれば、 よりよい活動に生かせるのではと思っています。

ボランティアさん

どうしても指導側(ボランティア側)の説明が多くなってしまう。学習者のことばをできるだけ引き出す方法を教えていただきたい。

ボランティアさん

その都度、学習者に希望や要望を聞きながら進めていますが、このやり方で
いいのか?効果的なのか?と不安があります。

ボランティアさん

どうしたら学習者が継続して来てくれるか。(学習者のモチベーションを上
げるためのアドバイスがあれば知りたいです。)準備をしていても学習者が来ないことがあります。

ボランティアさん

グループの中で学力差があるときの対処法は?


事前アンケートでは、日本語学習者とのコミュニケーションの悩みについて回答をいただきました。コミュニケーションの他にも、日本語の学習支援をするにあたって知りたいことは、「教材の使い方」「日本語能力試験の対策」「学習者の進学(進路)について」など多岐にわたります。それらのことに真摯に取り組む支援者が多いと感じました。

一生懸命だからこそ、大変すぎると感じて燃え尽きたり、活動から離れてしまう可能性もあります。水戸国際交流協会では「ボランティアさんが元気で活動を楽しめること」を大切にしています。そのことが、学習者にとって良い支援につながっているのではないかと思いました。


講師のご依頼吉田有美の講座・研修依頼の案内。テーマは「日本語学習支援のための傾聴」「日本語学習者と会話が広がる・深まるコミュニケーション講座」。対象者は日本語教育関係者、日本語ボランティア教室、国際交流協会、多国籍の社員が働く企業。...
ABOUT ME
吉田 有美
著書「日本語教師のための はじめてのコーチング」。日本語ボランティア向け「学習者との会話を広げる『聴き方』『質問のしかた』を学ぼう」など、傾聴講座の講師として活躍中。日本語教師歴22年。日本語学習者への個人レッスンも提供中。国家資格キャリアコンサルタント