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学習者の反応に傷つく日本語教師が解放されるヒント

今回は学校で教える日本語教師の方からのご相談、『教えること自体は好きなのですが、学習者の反応がいちいち気になってつらいです』というお悩みに答えてみたいと思います。

「相手の反応がいちいち気になる」これは私もかなり覚えがあります!

”相手の些細な反応を気にする自分自身がウザい、自分の感情の扱いがめんどくさい”長らく気持ちの切り替えができないことが悩みでした。今も気になる気持ちはゼロではないけれど、まあ、そんなに気にならない、気にしてる時間が圧倒的に短くなった、そんなに重ーい悩みではなくなったな、という話です。

”私を傷つけているのは私の捉え方”という発見

私はどのくらい、相手の反応を気にしていたんでしょう?例えば、こんな感じですよ。

学習者「漢字、難しいですねー」

(私の教え方がよくないから?)

学習者があくびをすると

(私の授業が退屈だから?)

ある学習者が「〇〇先生(他の先生)の授業は楽しいです」

と言うのを聞くと

(私の授業は楽しくないってこと?)

あるとき、代講で入ったクラスの学生に

「今日、〇〇先生は休みですか?」

と聞かれれば、こう思います。

(この学生は私が代講に来たからがっかりしてるに違いない!)

とまあこんな感じで、今書いていても何でそんなにいちいちネガティブに解釈する?!と不思議なくらい。昔の自分を思うと切ないですよ。

悩みの当時は自動的にそういうネガ思考が浮かんで、「教師の仕事に向いてないな」と思ったり、どんよりした気分を引きずっていました。

後にセルフコーチングで自分の感じ方を俯瞰し、仲間からフィードバックをもらうことで、「私ってこんなふうに感じやすいんだな」と事実をネガティブ加工してしまうクセに気づきました。つまり、自分で否定的に捉えてわざわざ傷ついて落ち込んでいたのでした。

私を傷つけているのはわたし。この発見は衝撃的でした!

相手の発言や出来事をネガティブに解釈して気にしているけれど、そもそも相手の内心なんてわかりようがないのです。相手はこう思っているだろう、というのは自分の妄想。

人は社会的な動物なので他者に認められたい気持ちは元々あるものです。だから、他者の反応が気になるのは普通のこと。それもよくない部分に目がいくようにできています。

ネガティブな解釈をしている自分に気づいたら、「これは私が作り出した妄想なんだな」と受け止める。「否定的に考える自分はダメ」「もっとポジティブに考えないと」とか思わずに、ただ受け入れる。気持ちを切り替えようとするより、自分の感じ方・考え方のクセを理解することが助けになります。

相手のどんな反応が気になってる?自動的に否定的な捉え方をしているということはない?妄想で不安を作り出してない?コーチングの先輩に話したり、自問自答するうちに悩む時間が短くなっていきました。

クセというのはなかなか直らないもので時間はかかります。妄想に気づいては「相手の本心はわからないよね」と声に出したりもしました。そのうち、いつの間にか平和な気持ちで過ごす時間が増えたなーと実感しています。

【参考】

「反応しない練習」草薙龍瞬 KADOKAWA出版

「図解 やさしくわかる認知行動療法」福井至 監修貝谷久宣 ナツメ社

ABOUT ME
吉田 有美
日本語キャリアサポーター。著書「日本語教師のための はじめてのコーチング」。日本語ボランティア向け「学習者との会話を広げる深めるコミュニケーション」講師として活躍中。個人向けサービス「大人にための自己分析・自己理解」をテーマとするコーチングセッションを行う。日本語学習者への個人レッスンも提供中。
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