吉田有美(よしだゆみ) プロフィール

2023年現在、「傾聴と学習支援」講座の講師、傾聴コーチングセッション、外国籍の方への日本語レッスン、大学のゲスト講師を行う。対面講座の他オンラインの活動により、国内外の様々なクライアントとコーチングセッションを展開中。国家資格キャリアコンサルタント。2022年著書「日本語教師のためのはじめてのコーチング」が出版される。

東京都板橋区在住。1969年岩手県出身。4年半の営業事務の仕事を経て結婚。英会話スクールに通ったことをきっかけに異文化交流と語学に興味を持つ。同時に、世界の国々の文化に触れるため、トルコ、イタリア、メキシコ、中国、インド、スリランカに加え、東南アジアの国々を旅する。


2000年、外国人に日本語を教える仕事に強く惹かれる。日本語教師養成講座に通い、日本語教育能力試験に合格。留学生向けの日本語学校で2年半クラス授業と担任業務を経験。その後、社会人向けの学校に転職。グループレッスンとプライベートレッスンを担当する。この頃から、個別の会話力を伸ばすレッスンに重点を置くようになる。

2009年、ACTFL-OPI(会話力を測るインタビュー)研修参加。会話力の上達に効果的なインタビューのスキルを習得する。OPI試験管の資格は取得できず。

2011年、教師向けコーチングセミナーに参加。学習支援にコーチングが有効であると気付く。日本コーチ連盟の門をたたき、コーチングのトレーニングを積み、コーチング・ファシリテーター資格を取得する。

2016年、コーチングセミナー講師、プロコーチとしても活動開始。教師向けセミナーの登壇をはじめ、日本語学校でのコーチング研修を行う。自主開催で『教える+コーチング講座』を開催。コーチングにより「個性を活かすこと」の重要性知る。同時に教育学・心理学・カウンセリングに興味が芽生え、放送大学の「心理と教育学科」に編入(2022年卒業)

2019年、キャリアコンサルタント国家資格を取得し、コーチングと日本語教師に加え、外国籍の方向け就職・転職支援・キャリア相談を行なう。プロコーチとしてアカデミック・コーチングの研究協力も行う。動画セミナー「日本語教師コーチング基礎」講師。

2020年、オンライン傾聴セミナー開催、日本語教育関係者オンラインコーチング講座、大学のゲスト講師、個人向け傾聴コーチング、外国籍の方への日本語プライベートレッスンを行う

2022年、日本語ボランティア支援者向けの「傾聴と学習支援」講座の講師。日本語教師コーチング勉強会開催、支援する立場の方に「傾聴」のワークショップをスタート。著書「日本語教師のためのはじめてのコーチング」が出版される。

2023年、日本語ボランティアブラッシュアップ研修「学習支援と傾聴講座」、三菱ケミカルグループ「DE&Iとコーチング」、サタラボ「日本語教育×コーチング講座」、ABK日本語教育勉強会「日本語教師のためのコーチング基礎」、早稲田大学「日本語学習者を支援する」ゲストスピーカー他、現在の活動に続く。

資格

  • 国家資格キャリアコンサルタント(CDA)
  • 銀座コーチングスクール 認定プロフェッショナルコーチ
  • 日本コーチ連盟 認定コーチ養成プログラム修了
  • OPI試験管研修修了(試験管資格は取得できず)
  • 日本語教育能力検定試験合格
  • 放送大学「心理と教育学科」卒業

活動

  1. 個人向け傾聴コーチングセッション 傾聴とご本人の納得感を大切にしています。キャリアカウンセラーして仕事上の悩み相談もできるコーチングが特徴。クライアントは教育関係者、会社員、医療関係者など。
  2. セミナー講師 教育関係者向けコーチングセミナー、大学のゲスト講師、コーチング動画セミナー講師など。
  3. プライベートレッスン専門の日本語教師 教えた学習者は1200人以上で30カ国以上。教授経験21年。ティーチングとコーチングを組み合わせ、学習者の目標達成をサポートしている。主な学習者はビジネスパーソン、経営者、教師、アスリート、留学生など。アカデミック・コーチングにおける対話分析の研究にコーチとしても協力する。

これまでのストーリー(長文)

はじめまして。吉田有美(ゆみ)です。
興味を持っていただいてありがとうございます。
こちらは傾聴コーチ・キャリアカウンセラーになるまでの物語です。

迷走していた20時代

最初に就職した会社では営業事務の仕事をしていました。
その職場では営業や接客、経理から雑用まで常に時間と仕事に追われる日々。

幸いお客様に恵まれ、毎月の営業目標は達成できていました。
アットホームで人間関係もいい職場。
しかし、私は営業事務という職種には合っていないと感じながら、営業の目標と事務処理、時間に追われる日々を過ごしていました。
4年半で退社し結婚。夫の転勤と転職に合わせてパートや派遣で職を転々としました。

「今、わたしにできそうな仕事は何?」

それが職を選ぶ基準でした。ただでさえ就職氷河期なのに、当時の私はスキルも資格もなく、できそうなことは限られてい他ので、一般事務かオペレーターなど似たような職に応募していました。

月曜から金曜、時間から時間で決められた仕事をこなし、収入を得る・・・・これが当時の仕事に対する感覚で、何の疑問にも思っていなかったのです。

出会い、そして修行僧のような30代

30代になったころ、ふと英会話教室に通いはじめました。
「赤毛のアン」が好きで昔から異国の文化に興味があったのです。

ただただ、いろいろな人と話すことが楽しかった。

講師たちは北米、英国、オーストラリア出身。

遠い国からやってきて自由に生きてる。

私ももっと人生を楽しむように働けないだろうか?
心から打ち込める仕事がしたい。
30を過ぎてはじめて真剣に”自分がやりたい仕事”について考えました。

専門性があり、人を関わる仕事がしたい。


海外から来た人に日本語を教えるのはどうだろうか?

日本語教師の仕事を知って強く惹かれました。
それから日本語教師養成講座に通い、日本語教育能力試験に合格。
日本語学校で進学クラスを教えはじめました。

夢だった日本語教師になったものの…

学校では学生たちに「先生、先生!」と言われ、充実の日々。
緊張感はあるものの、教師としては信頼されているようでした。

しかし、「クラス担任という役割は自分に合わない」と感じていました。授業の後とにかく消耗してしまうこと、大人数を引っ張っていくエネルギーが足りないことにいつも悩んでいました。一斉に大人数に教えるより、もっと一人ひとりが学びたいことを教えたい。
結局最初の学校は2年半で逃げるように去りました。

”わたし”を活かす道を探して

最初の日本語学校を辞め、社会人向けの学校に転職。
多くの企業や大使館への派遣講師も経験しました。
個人レッスンとクラス授業とは全く違う職種です。

とにかく経験を積んで「何でも教えられるようになりたい」「どんな生徒さんにも対応できるようになりたい」という焦りから、手当りしだい勉強会や講座に通うセミナージプシー。仕事をまるで修行のように感じていました。

しかし、良い発見もありました。

『私には個人レッスンが合っている!』と確信したのです。
一人ひとりじっくり関わることに深くやり甲斐を感じました。

それから、個人レッスンか少人数のグループレッスンに専念。

自分の道がはっきり見えたのです。
『個別に関わることが自分を活かす道』

同僚が口々に「担当するのが難しい」という生徒さんがいたのですが、
私は「なぜ他の教師は彼の良さがわからないのだろう」と不思議でした。

私は相手に話をしてもらうことで、特別な考え方や感性に注目し、発見することが好きです。ご本人の持ち味を活かす方法を一緒に考えることにやり甲斐を感じます。

それこそが自分の強みだったのです。

日本語レッスンというよりインタビューで学習者の会話力を伸ばすのはどうだろう?私と楽しく話しているうちに自然に会話力がつく、そんな独自のメソッドを目指そう!

会話力テストのインタビュースキルを学ぶ研修に参加。

それがセミナージプシーからの卒業でした。

相手が本当に関心のあることに焦点を当て、話を聴きながら進めるスタイルが認められ、日本語レッスンを継続してくださる方も増えてきました。

”わたし”の人生を生きる

40代になり「個別に関わる仕事をしよう」と決心してから、働き方を変えていきました。当時、ある生徒さんとのコミュニケーションで悩んでいた時のことです。コーチングという手法を知って飛びつきました。

コーチングを習い、自己分析に取り組んだおかげで自分トリセツを手に入れました。
それから、クライアントさんから仕事の目標や悩みを聞くうちに、働き方や仕事の選び方に興味を持つようになり、キャリアコンサルタントの資格を取得。

そのうち、人間の心をもっと知りたいと思うようになり、通信制大学で「教育と心理学科」で学びました。

そのころ、自分が内向型であることに気づきました。
刺激に敏感で疲弊しやすいのは能力や努力が足りないからではない。
生まれ持った気質の特徴という理由があったからなのだ。

人生でこれほど安堵したことはありません。

個人事業としてスタートしてからは学びを活かし、日本語レッスンとコーチングセッションをしています。はじめは外国籍方の支援が中心でしたが、コーチングセッション・キャリア相談を引き受けるうちに日本人のお客様からの相談も増えてきました。

幸いなことに、コーチング勉強会の仲間の紹介でセミナー講師のご依頼も舞い込むようになりました。

これといって目的もなく「今できそうな仕事」を探し、収入のために働いて時間をやり過ごしていた20代のころには考えられないことです。

私は長い時間を経て消耗と疲弊を繰り返しながら自分の道を見つけました。
20代〜30代は先行きの見えない暗闇を歩くようで「仕事ってつらい」「いつまでこの生活が続くの?」と思っていました。

50代になった今も試行錯誤していますが、マイペースにやり甲斐のある仕事をしている今の仕事と暮らしが好きです。初めて自分の人生を「なかなかいい感じだなあ」と思えるようになっています。

私は「人が持ち味を活かし、自分の人生を生きること」に興味があり、お話を聴きながら支援したいと思っています。

「自分の持ち味を活かし、自分の人生を生きる」とは、自分を深く知り、受け入れ、個性を活かして生きること。人は自分を活かして自分にとって意味あることをするのが幸せだと思うのです。

これからも年齢や国籍を問わず、働き方と人生を豊かに生きる支援の活動をしていきます。

長い長い手紙をお読みいただき、ありがとうございました。

吉田有美