日本語教師ネットワーク機構さん主催のオンラインセミナー「日本語教育×コーチング」に登壇しました。リアル参加、アーカイブ配信のお申し込みを合わせて550名以上のお申込みをいただき、コーチング(コミュニケーション)に関する関心の高さが伺えました。
自律的な学習を支援する方法として教育現場でも広がりつつあるコーチング。日本語教師がコーチングを学び、学習者と対話をすることでどんな可能性があるでしょうか。このセミナーではレクチャーのみでワークは行わず、ラジオを聞くようにお気軽にご参加いただきました。以下は大まかな内容です。最後のQ&Aは駆け足になってしまい、後日、補足資料をお送りしました。
Part1「コーチングの基礎的な知識」
・コーチングの基礎知識、対話の仕組み、コーチングの対象者とは?コーチングではコーチの自己基盤と信頼関係、心構えが重要な位置を占めるという話をしました。
Part2「個人レッスンレベル別 実践の共有」
・個人レッスンについての学習者との対話例の紹介し、それぞれの事例の中でどのようにコーチングを用いたかポイントを加えました。
Part3 Q&A
今回は事前アンケートの結果で最も多かった質問「意欲の低い学習者に対してどのように対応したらよいか」についてお答えしました。
感想・参加者の声(事後アンケートより抜粋)
コーチの心構えとして、学習者の可能性を信じ味方でいることが大事とのこと、なかなか難しいとは思いますが、常にそういった気持ちを持ち続けなければいけないと気づきました。また、日本語力がまだまだの学習者で意欲がない学習者は、まずは関係性作りを目指す必要があるとわかりました。今後の活動に生かしたいと思います。
学習者にアドバイスを与える際は、もっと相手の話を深掘りしてまずはニーズを理解することが大切だという点。教師と学生の関係構築、自己開示の大切さ。教師が楽しく生き生きと授業をしていれば、それは学習者に伝わるという言葉が大変心に響きました。
具体的にコーチングを利用した日本語レッスンの事例が知れてよかった。学習者から要望や相談があると即アドバイスをしがちだったが、今一歩踏み込んだ質問をすることで、学習者の質問の意図や、どのようなことで困っているかを詳しく知る必要性を感じた。
相手の悩みの話を聞いた時の具体的な対話がとても勉強になりました。また、教師自身が自分の感情を認めることについて、このような話を初めて聞くことができ気持ちが楽になりました。ありがとうございました。
今まで「教えなければ」「覚えてもらわなければ」「なんとかしなければ」という考えにとらわれ、焦るあまり、レッスンでは、指導者である私ばかりが話していたと、あらためて認識しました。学習者に自ら考える力、学ぶ力をつけてもらうために、コーチングが重要であることを学びました。また、学習時における学習者の反応や、やる気に対して、指導者自身の自己覚知や自己開示が必要なことも大変貴重な学びとなりました。今後、指導者としての私自身の大きな支えとなりました。ありがとうございました。
学習者に寄り添う姿勢が大事だと聞き、職場でも同じように大人、子ども関係なく、人対人としてその相手がいかに前進できるようにするかをサポートしていくことが大事なんだと学びました。
公共機関の日本語教室でボランティアをしていますので、コーチングのことをわかっているつもりですが、実際に学んだことがないのでこの度のオンラインセミナーに興味を持ちました。お話を聞きながら、学習者と基本スキルを持ちながらコミュニケーションしていると思いました。その中で学習者が考える、答えるということに関して気づきや、自発的な行動にに上手く繋がられているかとかいうことはまだ足りてないと気づきました。今日の学びをもっと深めて学習者に接していこうと思います。参加してよかったです。
「教師が持つ膨大なリソースの中から、学習者が求めている情報だけを渡すこと」「答えは私の中ではなく、学習者の中にある」という内容が、非常に心に響きました。また、日本語教師としてだけではなく、日常の会話においても、非常に役立つ考え方だと思いました。早速実践して、自分自身の意識を変えられるようにしていきたいと思います。ありがとうございました。