2023年12月3日、大阪府池田市の池田日本語ボランティア友の会主催の研修「学習者に寄り添う対話のバランスとは」に登壇しました。参加者は33名で非常に熱気のある研修になりました。
講座の目的は学習者とのコミュニケーションのコツを学ぶことです。「学習者に安心して話してもらうには?」「なかなか話してくれない学習者にたくさん話してもらうには?」を講義と傾聴(アクティブリスニング)のワークを通して体験していただきました。
主催者より事前に参加者アンケートをしていただき、以下の質問をしました。
1「学習者とのコミュニケーションで困っていることは?」
2「今回の講座で聞いてみたいことは?」
講座にその回答を盛り込むことができました。困りごととしては「学習者にいかに多く話させるか、その方法が知りたい」「学習者が話しているとき、どこまで言葉の使い方を訂正しますか」「フリートークも回を重ねると話題に困ります」「会話のとき、発音が聞き取りにくく、正直何を言っているかわからなくなることがあります」など。
講座で知りたいこととしては「もともとシャイな学習者にたくさん話してもらうには?」「間の取り方がむずかしい」「相手の言葉を引き出すにはどんなことに気をつけますか」「学習者がすぐに英語で話すのですが、どうすれば?」「学習者が”わかりました”と言いつつ、理解していないときはどうするのがいいですか?」など。
ボランティアさんの困りごと、知りたいことを具体的に提示していただき、講座はそれに応える、ヒントを提示するようにデザインしました。
前半は講義として吉田の初期の頃のコミュニケーションの失敗談から、レッスンに傾聴と対話するスタイルを取り入れてからの変化・効果について話しました。次に「なかなか話してくれない学習者に話してもらうコツ」として傾聴(アクティブリスニング)の5つのスキルを説明しました。
後半は、傾聴(アクティブ。リスニング)のコツの1つ「相手の反応に合わせる(ペーシング)」の練習。そして、3人グループで支援者役・学習者役・オブザーバー役に分かれて、実際に学習者とどのように対話を進めるか吉田がモデルをしまして、オブザーバーつきワークをしました。ワーク中のフィードバックタイムでは、みなさん率直に発言されていたようで、ワイワイと笑い声がたくさん上がっていたのが印象的でした。
参加者のアンケートを見ますと、皆さん満足され分かりやすかったと書かれていました。参加者の感想としまして「話過ぎていた、80%は学習者」「我慢の必要性」「相手が言いたいことを引出すことの大事さ」「話して貰う重要性」「話をよく聴く5つの方法が出来ていなかった」「自分が聞きたいことを聞いていた」等など多くの気づきや発見があり、今後は役立てて心掛けていきたいとの声がありました。
講座の後で主催者、参加者の方と話したところ、「大阪人の気質として、どうしても自分が話したいこと、聞きたいことを我慢するのがニガテ。ついついおもしろいネタを求めてしまう。今回のワークでフィードバックをもらって自分のことがよくわかりました」「自分の言いたいことを保留して相手の話を聞くのは我慢が要りますね^^」とのこと。
思えば、講座をしていて非常に楽しかったです。みなさんとてもパワフルで明るい!笑いの中に情があり、普段から熱い気持ちで学習者と関わっているのが伝わりました。
梅田の地下で明石焼きを食べながら、じわじわ充実感がきました!