地味なタイトルだが、読み始めたら、おかしな展開に引き込まれ、一気に読んだ。2、3時間で読めると思うが、稀に見る面白い話だった。この本のタイトルも作家の名もどうして今まで知らなかったのだろう?
「庭師ただそこにいるだけの人」ジャージ・コジンスキー
コジンスキーはポーランド生まれのユダヤ人で、第二次世界大戦のときに両親と別れ、浮浪児として生き残り、戦後は全く英語がわからないままアメリカに亡命したが、もう勉強の末、亡命からわずか3年で作家デビュー。ゴーストライター疑惑が浮上したり、謎の多い作家だそうだ。
少しだけストーリーを紹介する。(本の裏表紙に書いてあるものを引用)
主人公のチャンスは孤児である。生まれてすぐに偶然にも大富豪に拾われ、庭師として育て上げられた。屋敷と庭から一歩も出たことがない。学校にも通ったことがない。読み書きもできない。庭仕事をしている以外は、ひたすらテレビをを見ている。ところがある冬の日、主人が死んでしまい、生まれて初めて外の世界に出ることに……。
童話のようなおかしなおかしな1週間の話。読後は良い感じが残る。
映画も見てみたい。ことの真理は自然の摂理と一緒でシンプルなのだ。
飾らず自分の等身大の姿で堂々としていれば良いということかな。
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